こんにちは、不動産鑑定事業部の鑑定士 伊奈です。
今回の不動産コラムは、これまでの内容を大きく変えて、
不動産投資の観点からお薦めのエリアに焦点を当ててみようと思います。
当社では、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)に所在する
マンション・アパートといった住居系収益物件の
売買、賃貸、管理、リノベーションを幅広く取り扱っています。
その中で最初の注目エリアは、相模原市です。
Ⅰ.市の概要
相模原市は、東京都と山梨県の間、神奈川県の北部に位置します。
平成25年11月1日時点の人口は721,034人、312,578世帯で、
横浜市、川崎市に次ぐ県下第3位の人口規模を擁します。
地理的には隣接する町田市とかかわりが深く、
都心へのアクセス利便性の向上からベッドタウンとして発展してきました。
また市内に大学の多いことや、
八王子市など周辺都市の大学への交通が便利なため、
学生の街としての側面もみられます。
さらに市内には相模原公園のような大規模な公園が点在し、
自然環境にも比較的恵まれていることから若年世帯の流入も多くなっています。
商業面では、小売店舗数が神奈川県内第4位、
年間販売額は横浜市、川崎市に次いで第3位となっています。
橋本駅、相模原駅、相模大野駅周辺地区が中心商業地であり、
市民ニーズに対応できる多様で個性的な商業地を形成する目的で、
再開発計画の計画がそれぞれ進行中です。
Ⅱ.特徴
相模原市の特徴は、第一に人口の増加傾向が続いていて、
特に20代、30代、50代の人口割合が高いことです。
15歳から64歳までの生産年齢人口比率が70%に達しており、
市全体を活気ある雰囲気にしています。
第二に都心へのアクセスの良さです。
橋本駅から京王線で新宿へ37分、渋谷までは40分、
相模大野駅から小田急線で新宿へ35分、渋谷までが35分程度となっています。
横浜方面へのアクセスも良好です。
このような人口構成、人口の伸び率、立地などの観点から、相模原市は
新規出店や新発売商品のマーケティング実施地域としても知られています。
Ⅲ.不動産市場
a.売買市場
相模原市内の、直近1年以内における
レインズ住居系収益物件の成約データによれば、
中心価格帯は2千万~3千万円台となっています。
築年数は20年程度の物件がほとんどです。
利回りについては、
募集事例における平均は9%、5.9%~12.5%の幅があります(athome)。
成約事例では平均10.2%、8.4%~12.2%のレンジにあります(レインズ)。
b.賃貸市場
直近1年以内で橋本駅を最寄とする、レインズ成約データを基に分析を行いました。
参照データ総数は421件、
そのうち25㎡以下の単身者向け物件の賃料平均単価は2,095円/㎡、
25㎡超のディンクス、ファミリー向け物件の賃料平均単価は1,693円/㎡となっています。
また全体の約4割を単身者向け物件が占めていました。
築年数では、やはり築後20年程度の物件の多いことが分かります。
Ⅳ将来性(リニア中央新幹線の誘致地区)
平成24年2月、神奈川県・市で協議した結果、
リニア中央新幹線駅を「橋本駅周辺」に誘致することで合意しました。
また、平成25年9月JR東海が発表した「環境影響評価準備書」の中で、
神奈川県内の駅が「橋本駅付近」に設置されることが明らかとなりました。
選定の理由として、
①橋本駅周辺は既に鉄道3線が乗り入れ、さらに今後供用が予定される
さがみ縦貫道路からのアクセス性に優れるためより多くの県民の利用が見込まれる。
②橋本駅周辺におけるポテンシャルや土地利用転換の可能性から、
将来のまちづくりの発展性が非常に高いこと。が挙げられました。
Ⅴまとめ
前述のように、リニア駅設置が予定される橋本駅周辺を中心として、
内需型産業において地方と都心を結ぶ中継地となりうる
相模原市の波及的な発展、賃貸需要の増加が期待できます。
現在でも学生、都内へ通勤する若年世帯の需要が充分見込めるエリアです。
当社も今後、相模原市での仕入れを強化していく予定ですので、
首都圏でのマンションやアパート投資をお考えのオーナー様、
こちらのエリアにご注目されてはいかがでしょうか。